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■ BRANDING #01

経営者を撮る~写真が語るもの vol.1


今回は日経ビジネス等ビジネス誌・経済誌にて大手企業の会長・社長を撮り続けるプロカメラマン菅野勝男氏と、大手をはじめ、成長意欲のある大小さまざまな企業向けに、成長戦略や新規事業、イノベーションに関するコンサルティングを主に活躍されている生島大嗣氏の対談です。お二人とも大手企業の内側を独自の目線でとらえ、そこに見える経営者のブランディングスタイルを語っていただきました。
取材/山部香織 撮影/菅野勝男  
 

大企業のトップを撮り続けて

生島氏: 僕はいろんな会社の経営を、実際戦略やプロジェクトなどのサポートをしてるんだけど、勝さん(菅野氏)は、また違う視点で企業のTOPを見てるんですよね。

菅野氏: 僕の場合、新社長就任で会社案内を変更されるとか、雑誌の対談や取材も含めて、初めてお会いする方がほとんどですね。

ご依頼受けたとき、その企業の会社案内やホームページなどは一応見て、イメージは作ってはいきます。こういう感じの会社なんだろうなというのはある程度イメージしますね。

生島氏: 一応調査みたいな?

菅野氏: あくまでもイメージです。結構、ロゴマークからでもイメージは湧きますね。
でも、実際現場に入ると、やはりそこは感性で撮ります。情報は「きっかけ」でしかないですから。

生島氏: 圧倒されるようなビッグな被写体で、つい気後れしたりすると、良い写真ってやはり撮れないのかなと思うんだけど、撮る側と撮られる側の駆け引きみたいなのはあるんですか?

菅野氏: ええ、もうそれがすべてですね。
若いころはその連続でした。飲み込まれたら良い写真は撮れないですね。撮らされている。
 
撮る側と撮られる側というのは、真剣勝負。実際、対談をしているところを撮る場合などでも、やっぱり大きなカメラが横で控えているわけですから、意識しない人はいないです。

生島氏: 非日常的な空間ですね。
 
菅野氏: 「ヘンな写真撮るなよ」という撮られる側の意気込みは感じますね。

やはり日本の有名企業であり、知らない人はいない会社のトップとなると、個人的な感情なんかではなく、「僕はこの組織の長なんだから、そこを考えて撮れよ」という「自分の企業を背負う存在感」は伝わってきますね。
 
僕はやはり「その人」を撮ってるんじゃなくて、その経営者の背中越しにある企業の姿を撮っていることにもなります。そういう経営者の想いを表現するのが、写真だと思うんです。

写真を撮っているのではない。

生島氏: そこに勝さんの感性が入るわけですね。

菅野氏: そうです。
だから技術じゃないんです。
僕は写真をとってるつもりじゃないんです。
 
生島氏: 写真を撮ってるつもりじゃない?

菅野氏: その人を表現する手段が写真というカタチになっているだけなんだと思う。
 
生島氏: やっぱりそんな企業の看板となる経営者を撮るとなると、生半可な気持ちじゃ良い写真って撮れないんでしょうね

菅野氏: 基本的に、ご依頼を受ける時っていうのは、ご本人から直接「招かれて」お会いするのではないんです。
時には良い内容の取材じゃないこともあります。ですから、こちらの意気込みっていうのは重要になりますね。

生島氏: 過去に圧倒されたことって、やっぱりありますか?

菅野氏: ただ写真を撮ってるだけじゃダメなんだと思ったのは16年くらい前。

ある誰もが知る大会社の社長を撮らせていただくことになって、やはり緊張したのか、今思うと圧倒されたんでしょうね。撮った写真のカットすべて、顔が小さくなってたんですよ。

生島氏: 寄れなかった?

菅野氏: そう。寄れなかった。負けてたんですね。
この時に、ただシャッター押すだけじゃダメだと思ったんです。表現することができなかった。

生島氏: 表現するって、毎日毎日勝負してるって、すごいですね。
すごいストレスじゃないんですか?

菅野氏: 表現することが好きなんですね。だからストレスじゃ全くない。
逆に、写真が撮れるって幸せだなあと思いますよ(笑)

生島氏: なるほど。

菅野氏: ボクの中の「カメラマンというものは」という定義があるんです。

有名なカメラマンってたくさんおられますけれど、技術的な差っていうのは、そう変わらない。

「感性の違い」だと思うし、「写真を撮る」という意気込みだったり、モティベーションだったりの自分の心・気持ちがすべてを変えてしまうと思っています。

著名なカメラマンの撮る写真が見る人を感動させるのは、それだけの感性を培ってきたその人自身だと思うんです。

 

2011/11/11


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