■ MANAGEMENT #03

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企業戦略としての人材採用 vol.2

明日の課題のための採用
政岡氏:じっくり話し合っていけば、ある程度将来像が見えてくるんですが、企業側が面接時に短い時間でどこまで把握してくれるか

岡田氏:弊社でも面接時にはできるだけ俯瞰して見るようにしていますが、それでも最近は目利きが難しくなってきていますね。ここ道20年やっていますが、だんだん巧妙で見えにくいようになってきているような気がします。

政岡氏:企業の要望のレベルも個人のレベルも複雑化していますから難しいですね。

企業側もはっきりした要望の背景を明確にしてこない。あるいはそういったものがないという場合もある。こちらがある程度想像していかなければいけないんですよね

岡田氏:そうですね。人事の方は、今日の課題のための要望を提供されるんですが、実は明日の課題のための人材が必要なんですね。

その企業の戦略や経営者の考え方を理解した上で最適な人を提供しなければいけない。経営者と直接話しを聞いた上でご提案できれば、その企業にとっても、今後の展開を考えていけるきっかけにもなりますね。

政岡氏:人事の担当者から見れば、ひょっとしたら自分のライバルになる可能性があると捉えらえる場合もあります。ところが、経営者はやはり全体の戦力として俯瞰して考えるから見方が違う。

企業内のどの層が求人ニーズをもっているのか、求人ニーズの内容がどのように精査されたものかをこちらが把握していかなければなりませんね。

岡田氏:長い付き合いのクライアント企業さんに、ある人材をご紹介したんですが、結果的にNGだったんですね。そこで「岡田さんは、ウチのことをよく知ってくれているのに、なぜ違う人が来ちゃったのかなあ」と言われた。

それは悔しい反面、嬉しかったですね。そういう評価・見方をいただいていたことは有り難いこと。だからこそ、しっかり良い人材を選別しなければと思いましたね。

政岡氏:ある程度こちらが(NGかもしれないと)わかっていても、本人が望む場合は紹介しますよね。そこが難しいところですね

岡田氏:それに、ある一面だけで判断されると、NGになってしまう怖さもあるんですね。

政岡氏:企業側は面接の前に、履歴書と職務経歴書しか見ない場合が多いので、その人のいろいろな面を知ってもらいたい思いで紹介状やレポートをしっかり書いて、アピールしているんです。

岡田氏:あのレポートは政岡さんのいままでのノウハウの集約されたものですね。効果はやはりあります?

政岡氏:ありますね。自分の訴求ポイントや他者と比べて見た評価点など、本人には常に確認していますから。

岡田氏:同じ目線で同じ価値観で見てもらえると良いのですが、そうでない場合もあるし、そういうこちら側の意図が伝わらない場合もある。

どうしても表面的で判断されてしまうことが悔しいですね。本来は、じっくり会ってもっと話を聴いてやって欲しいと思うんですけどね。

政岡氏:やはり見る目は企業によって違いますからね。経営者とも人事や現場とも違ってきますしね。採用に対する力の入れ方、考え方も、企業によって千差あります。

岡田氏:弊社クライアントで、採用にかなり力を入れているところがありましてね。まず会長が面接し、それから人事というステップなんですよ。 会長がその会社のスタンス、経営理念を1対1で話されるんです。話をしながら、その人物をじっくり見てられるんですね。それでOKならば、次が人事との面接になるんです。

政岡氏:それって、上がOKなら、下はOKださないとダメでしょうというんじゃないんですね。普通は会長がOK出した人物をなかなかNG出せないでしょうし。

岡田氏:そうなんです。そこは、会長がOKといっても、現場でNG出すこともあるんです。それだけ、風通しの良い会社なんでしょうね。そこまで採用に熱心な会社であるとこですね

政岡氏:上の見解と違って、下のものが意見を言える社風がすばらしいですね。全社的に採用に取り組んでいないと、できないことです

 

2011/12/09


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