■ MANAGEMENT #03

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■ MANAGEMENT #03

企業戦略としての人材採用 vol.3

人材紹介会社の今後
岡田氏:政岡さんところは不動産業界に特化されているんですが、弊社は総合型。最近は特化型にされているところが増えていますね。

政岡氏:特化型というのは、業界の景気が下がると同じように下がるところが弱みですね。

岡田氏:不動産業界は一時期、金融業界とのつながりが強かった時代がありましたね。そんなときは双方の業界が一体して動いていた。流通業界もしかり。

今後も一つの業界だけでなく、他業種との目配りが必要になりますよね。我々も他業種に横断できる目線を常に持たなければと思ってるんです。

政岡氏:特化しているからといって、型にはまるのではなく、また業種を絞って範囲を狭くする必要はないんですね。やはり企業の様々なニーズが多様化してきているので、それに合わせて対応しなければいけない

岡田氏:経済誌を縦軸で見ていくと、案外異業種同士でも関連してきてるんですね。そういった情報も今後はビジネスチャンスというか、人材を提案する際にも必要かなと感じています。

政岡氏:特化した専門知識を強みにしていますが、対応範囲はあえて広げようとしていますから情報収集は不可欠ですね。

岡田氏:他業種の情報やニーズは、意図的にいつもなにか挙げていかなければ自然発生では集まらないんですが、特化型のところは業界が集約しているので比較的集まり易いですよね。今はさらにセグメントした特化型が増えていますから、企業ニーズも自然発生的に集まってくる。

政岡氏:それが強みでもありますね。特にこれから我々の業界に参入される方は、専門分野の特化型から始めるほうがいいですね。

岡田氏:人材紹介会社もある時期、数千社ありましたが、今、実際に稼動しているところは1割くらいですね。

政岡氏:減りましたね。だからこそ優良人材紹介のニーズは高まっていますね。ハローワークや派遣業との住み分けが出来てきていますから。

岡田氏:優秀な人材って、どういったイメージを求められます?

政岡氏:やはり、その企業のニーズに合った人物が優秀だと思うんですね。あまりに優秀すぎても、オーバースペックでNGになるわけですから、企業にとっての優秀とは、ニーズにぴったり合った人ということになってきますね
採用をどう捉えるか
政岡氏:企業は経営者と幹部の人たちが、常にどういう人が自分たちにとって必要かのスペックを理解して、明確化させるべきですね。

それと、せっかく優秀な人がはいったのに、社内が優秀でなかったということがありますから、土壌を整えることの必要性もある

岡田氏:我々も企業ニーズの背景をしっかり見極めることが重要ですね。採用は単に穴埋め的なものじゃないわけですし、イベントでもない。人事だけでなく、全社的に取り組んで欲しいと思いますね。

政岡氏:そもそも、評価制度があるはずで、どういう人物がわが社にとって必要かのコンセンサスがあれば、そこから精査して採用に活かせるはず。また、会社全体で人材を育てていくといった気持ちは持って欲しいですね。

岡田氏:会社がどこへ向かうのかと同じく、採用は戦略と同じ。コストをかけ、投資をされるわけですから、中期計画的な目線は持つことです。やはり、会社も人も、成長して欲しいですから。
岡田 政之
人財コンサルタント
株式会社バンステーション
代表取締役

IT関連企業で営業職を経て、自身も「ヘッドハンティング」により人材ビジネス業へ。人材ビジネス歴は20年を超える。1992年 バンステーション設立。 勝ち組よりも「価値組」を目指す中堅企業や 株式公開前後のベンチャー企業へ、経営幹部候補やIPO、新規事業進出、後継者補佐といった希少なニーズに対応している。人財紹介/人財コンサルティング・キャリアコンサルティング/エグゼクティブサーチ・常用目的紹介/経営コンサルティング ・アウトソーシング・M&A・IPOコンサルティング

株式会社バンステーション
HP: http://www.vanstation.com/
政岡 勝
人材コンサルタント
キャリアアドバイザー
社会保険労務士
人材アシスト株式会社
政岡社会保険労務士事務所

テレビ局カメラマン(関西テレビ)兼映像技術を経たのち、営業を学び5年後に独立しようと思いリクルート入社。 リクルートの社訓「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」に則り「仕事が人を変える」を十分に体験する。 グループ内をほぼ6年毎に手を挙げて、営業(SPI、人事活性の営業)、経理課長、リクルートコスモス(マンションデベロッパー)にて、財務、営業部長。金融業のファーストファイナンスでは支店長、経理部長、として経営に携わる役員として活動。 バブル崩壊後、リクルート広告代理店の経営を担当、専務として経営責任を全う。 その後、リクルートエイブリック(エージェント)で、キャリアアドバイザーとして多くの転職者と接して、リクルート33年のサラリーマン生活を終了。 卒業後は社会保険労務士事務所を開設。 数多くの転職の経験を活かし人材業界へと転向する。

人材アシスト株式会社
HP: http://www.sr-jinzai.co.jp/
撮影:菅野 勝男/取材:2011年12月

2011/12/09


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