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ものづくりと広報「本物論」 vol.2

「本物」って何?
古川氏:僕は神崎さんとこで、広報をお願いして、いっぱい雑誌に載せてもらったり、新聞とかにも出してもらって、おかげさんで問い合わせやお客さんも増えましたね。

で、クライアントとして、経営者の立場として、聞きたいんやけど、神崎さんにお願いして、いろいろやってもらって、結果、お客さんがくる。

これって、広告と広報って同じ宣伝やと思うんやけど、なにがちがうの? 

神崎氏:広告って、会社がお金を払って一方的に言うことなんですね。客観的でない。

広報っていうのは、マスコミ側がその情報は「本物」だ、価値があると思えば取り上げてくれる。

いくら会社が「良いもの」だと思っていても、世の中にとって価値がない、「本物」に思えないとなると、取り上げてくれないんですね。

でも、クライアントの中でも、本当に価値があるものを持ってる会社さんは、もちろん広くマスコミに取り上げてくれるんですが、いろんな会社の中には、なかなか取り上げてくれない会社もある。

「本物」に見せかければ取り上げてくれるかといえば、そうでもない。 そこで、世の中に価値がある、「本物」だと認めてもらうためには、どう伝えていけばいいかを考えたり、世の中が必要とする商品はどんなものかを考えるきっかけになったりするんですね。

古川氏:「本物」を「本物」として伝えるのって本筋、当たり前ですよね。でも商売人として思うねんけど、全部「本物」って自信があるかというと、そうでない場合もあるだろうし、より「本物」に見せるっていうのも、ある意味お金が動くことって往々にしてあるんじゃないかと思うなあ

神崎氏:正直、まだ「本物」っていうか、まだ自信がないという場合もあるんですね。

僕ら広報って、そんな会社さんが、いつか「本物」と認められたい、自信を持つにはどうしたら良いかを一緒に考えて応援することでもあります。

また、そんな努力をされているところも、やっぱり認めてもらえる社会でもあってほしいと思っていますね

古川氏:「本物」って何かということもあるんだけど、20年くらい前、あるデザイン思想の話でね、「流行が美しいのではなくて、機能性が美である」ということをデザインコンセプトにしたドイツの会社がある。

でもそれは、その会社にとっての正義であるけれど、流行を作ってきたイタリアとかフランスの会社にしたら、それは「本物」じゃないと思うと思うんですね。

それぞれの立場で「本物」って違うんやないかな。神崎さんにとって、いっぱい会社を見てる中で、「本物」って何のことやと思う? 会社が成長することなのか、それとも、商品が良いことなんか。。

神崎氏:「本物」って、その会社が判断することじゃないと思うんですね。その会社が「本物」だと思ってる商品でも、世の中には欲しい人がいない、求められていなかったとしたら、それは「本物」じゃなくて単に「思い込み」なんですね。メディアも取り上げてくれない。

自分たちが良かれとおもってやってきたことが、実は間違いで、世の中の期待と食い違っていたということに気づくんですね。やっぱり「社会との対話」をしながら、「本物」を見つけていくことが重要だと思うんです。

古川氏:「本物」って難しいよね。。

神崎氏:ええ。オーダーキッチンって、モノは良いですよね。でも一見、キレイな既製品と違いがわからない。その違いって、どう伝えてます?

古川氏:そうね、見た目はわからないね。お客さんの要望に合わて作ったもの、っていうのが一番の違いだけど。

サイズとか、機器の種類とかだけじゃなく、どんな使い方をしたいか、それを実現するには、どんなアイデアが使えるかを、これまでの経験に基づいてご提案しています、ってことかな。

2012/01/20


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