■ INNOVATION #02

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■ INNOVATION #02

組織内部からのイノベーション vol.1

組織内部からのイノベーション

今回はコンサルタントという既存の枠と異なり、現場で一緒に戦うイノベーターとして活躍されている、プロ営業コンサルタントの村川大吾氏と医療経営プロデューサー川崎光雄氏の対談です。営業と医療という別業界を専門とするお二人に、今起こりうる組織の問題、リーダーの姿を語っていただきました。
経営をプロデュースする。
村川氏:医療経営に特化したコンサルって数少ないですね。

川崎氏:医療経営をコンサルするというより、プロデュースしているという立場ですね。

コンサルというと、どこかで作ってきたノウハウをはめこんでくれるのかな?というイメージを持たれる場合が多いからできるだけ避けたいと思っているんです。

医療っていうとエビデンスというか、曲直瀬道三や華岡青洲の時代から、ずっと古いものの上に重ねてきたこともあって、新しいものを取り込むのが苦手で抵抗感があるように感じるんですね。

医療技術についての興味はあるけれど、医院経営については苦手という方が多い。そんな方たちに、いきなり「こうしたらどうですか」と言ってもなかなか取り入れてもらえないんですよね。

でも、医療業界は国の保護がなっていく中で医院経営が難しくなっている。これからは自分たちの感覚でしっかりと経営しなくちゃいけなくなっているから、想像力も必要になってくる。

そういった意味で僕たちの立場は、コンサルというよりこれからのことを一緒に考えて、わからないことでもやってみようという、プロデュース的なアプローチが必要なんです。

村川氏:なるほど特殊な業界ではありますね。

川崎氏:だけど、いきなり突飛なことをガンとぶつけても受け入れられないから、先生やスタッフの皆さんのスタンスの範囲内の中で、ギリギリやってみてもいいかなというものを抽出して投げ込んでみるというスタイルですね

村川氏: そこがプロデュースということになるんだ。一緒に作り上げて、未来を模索していくっていうスタンスなんですね

川崎氏: 医療系のコンサルって他に大先輩がたくさんおられるんだけど、僕のスタンスはそうですね

村川氏:コンサルタントという概念は様々で、コンサルタントといいながらアウトソーシング的に作業を受けている人もいれば、改革に本格的に手がけている人もいるし、相手に言われたことだけをサポートしている人もいる。いろんなスタイルがあるから捉え方も曖昧になるんですよね。

販促にしろ、営業活動にしろ、新しいことがどんどん出てくるもんだから、営業って新しいもの好きで、表層に使うツールだけをばくばく取り入れていくコンサルや企業は多いんだけど、普遍的な基本が身についていないとやっぱり結果もでないし長続きしない。

常に目先のツールや手法だけを探してばかりいると、それは刹那的な営業にしかならないんです。

営業って「経営基盤」だから、企業の普遍的なものを構築していくのが私の役割。そういう意味ではどっちかというと、プロデュースするというスタイルではありますね。営業プロデューサーかな?肩書き変えようかな(笑)

川崎氏:クライアントからすると、コンサルって、何か自分たちの発想をぶち壊してくれたり、やりたいけれどやりきれないことを補足してくれたりという期待を持っていることってありますね。

だけどどんなコンサルタントに相談するかって実はイチかバチかで、怪しい人もいるし確かな人がどこにいるかなんてわからない。コンサルタントって今、巷にあふれているから、僕たちのポジションの取り方って難しいですよね。

村川氏:全く。それも表層的な人たちが増えているような気がする。 何の目的で何を狙っててということが明確でなくて、将来的な次の価値をどう作り上げられるのかが疑問なことって多い。

経営ってやはり収益を上げて永続させていくことが目的なんだけど、目的と手段をはきちがえて手段を目的にしていたりする。本質を語れない人が多すぎると感じるね。

川崎氏:時代に合わなくなった企業を無理やり生きながらえさせるためにやってることってあると思う。数字を追うだけなんてまさに刹那的ですよね。本来、即効性なんてないし時間がかかる。だから本質に手をつける余裕がないんだろうと思う。

村川氏:たとえば改革に2年はかかるとして、その2年を継続させるのが経営者の仕事なんだけど、やっぱり即効性を求めることが多いですね。私たちが考えるイノベーションというのは、普遍的なセオリーとして企業体質を変えるということが本来のあるべき姿なんだけどね。

2011/12/09


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