■ FINANCIAL #05

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■ FINANCIAL #05

経済成長の軌跡で見るアジア進出 interview

―――アジア投資には目的をはっきりするべきだということですが、アジア進出される中小企業には、コストダウンと市場拡大、どちらの目的が多いと思われますか?
小山氏:圧倒的にコストダウンが目的の方が多いです。とくに人件費ですね。人件費が安いからという理由だけで進出する方が多いですね。
―――アジアは今、マネー投資場か事業拡大のマーケットか、どちらと思われますか?
小山氏:まだまだ投資でしょうね。投資の段階だと思います。マーケットはまだ、これから育てていこうかという状況だと思います。
―――グローバル戦略という言葉には、アジア進出ということがまず想起されることが多いようですが、それについてどう思われますか?
小山氏:日本人はアジアが好きなんですね。好きというか楽なんです。なぜかというと、目線の違いがあるんですよ。アメリカには戦争で負けたから、どうしても下から目線なんです。でもアジアに行くとヘンな話、王様みたいな気分になるんです。つまり上から目線。そこがアジアで展開するビジネスで失敗する理由の一つでもある。

つい上から目線で扱ってしまうということに、従業員の不満がたまるんですね。なぜアジアなのかというところには、そうしたマインドが知らず知らず存在する場合があるということを知って欲しいですね。
―――日本人のグローバル戦略、海外の進出の仕方には特徴があるように思いますが、どのように感じておられますか?
小山氏:もう、まだまだですね。僕が今アメリカの不動産が良いと言っても反応は薄いですよ。そこに市場があるから行けば良いのに行かない。どうしてもヨーロッパやアメリカのビジネスは上だというイメージがある。アフリカだと黒人ですから日本人はあまり相容れない部分も多い。

白人はやはり上で、アジアに行きたがるのは、やはりコンフォータブルだからです。でもアジアが好きで皆行くんですけど、実際にアジアで利益を出している企業の確率ってすごく低いんですよ。恐らく1割あるかどうか。

海外でビジネスできる人というのは、すでに海外組みだったり、そもそもアメリカやヨーロッパともうまくやってるビジネスの能力がある方なんです。アジアにおいても同じで、向こうのほうが上ということもあります。相手も利益をだしていこうとしますから、日本人も欧米と対等のビジネス知力が必要だと思います。
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2013/02/04


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