■ BRANDING #12

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「食文化をクリエイトする」老舗外食ブランドのイノベーション interview

―――外食と中食では、どちらのシェアを今後大きくされていきますか?
文野氏: 我々は「料理人」ですので、どちらがということはないですね。料理人であるからこそ、価値が出ると考えています。外食と中食の両方から新しいお客様を発掘していく、というシナジーが一番大切です。どちらがへこんでもダメですし、両輪を走らせていくというのが基本的になりますね。
―――勝ち組と言われている企業は、すでに40年前からある業態だと仰ってましたが、その企業は、進化して勝ち組として存在するのか、それともその業態がたまたま今の時代に合っていたか、のどちらだと思われますか?
文野氏:それは進化ですね。マクドナルドがその典型で、完全に違う店になっています。セルフうどんもそうです。セルフという業態は昔からありましたが、今の時代に合わせた空間作りや、本物感、しずる感を出すという進化をされています。やはり進化しなければ残れないですから。
―――「進化する老舗」とは?
陶山氏:ロングライフブランドと言って、時代を超えて、或いはお客様の層を超えて支持される、だからこそ「老舗」であるわけですが、そこにあぐらをかかず、伝統を受け継ぎながら、革新することなんですね。得てすると保守的になって守る姿勢に入りがちなんですが、進化する心で挑戦することですね。

文野氏:餃子をメイン商品として40年、我々としては、餃子は匂いがして当たり前、匂いがあるから美味しいんだ、という思い込みがあったんです。それはその通りなんだけども、一方で匂いが消えて欲しいという人もいた。そこで匂いはそのままにして、体内に入ってから匂いを消す、という着眼点にふと変えたとき、そういう餃子を便利に感じる人達が食べ出した。それで売上が伸びた。そういうことなんですね。思い込みって怖いなと思います。メインの商品を変えるのは、非常に勇気がいりましたけど。

陶山氏:マクドナルドも100円マックというのは一つの新しいチャレンジで、ファストフードの徹底なんですね。いわゆる価格訴求の極。でもそれがあったからこそ、テキサスバーガーのような次の付加価値がある。

つまり絶え間ない進化の中には、成功もありますがそれ以上に失敗もある。常に山あり谷ありで諦めず、変えていかないといけないという気持ちと、重要なのは時代の空気読むこと。アンテナの感度はどうしても鈍ってきますから、常に感性を磨ぎ澄ませていないといけない。それにはやはり外の空気に触れて、自信と誇りを持ちながら、そこに安住せず一歩踏み出すということですね。
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2013/03/20


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