■ ADV(アドボカシー)な人々 #05

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GEM Partners株式会社 梅津 文「いまのきもち」 vol.6

谷本氏: 梅津さんの一番のお気に入り映画は『嫌われ松子の一生』なんですか?

梅津氏: そうなんです。中島哲也監督ってすごく悲惨なシーンでもきれいなお花畑が入るようカメラを動かすという、不思議なファンタジー感があるんです。すごく悲惨な話だけど、ある意味別世界というか。恍惚とした世界観を体験できる映像のマジック。あれって小説ではできない。

片岡氏: まさに映像の世界ですね。

梅津氏: 2時間どっぷり暗い中でしかできない異質な体験。且つ中谷美紀さんの演技が素晴らしかったんですけど、人間って映像を通してここまでできるのかというのを中島哲也監督と中谷美紀さんの演技を観て感じたんです。「これはすごい」と。元々エッジの立った映画が好きなんですが、あれはほんとにすごいなと思いました。人の心をこう、マッサージして奥行を作ってくれるというか。

皆が『嫌われ松子の一生』を観るべきだとは別に思わないですけど、それにしても人がもっと出会うべき映画って、まだまだ出会いきれていないんじゃないかと思うんです。この人がこの時にこの映画を観たらどんなに人生が変わっただろうというような、もっといい時間になったんじゃないかということがあると思うんですね。そこのマッチングというか、その歩留りを無くしたい。
谷本氏: おもしろいですね。

梅津氏: コンテンツが生まれ、人々に届けられる間には、たくさんのハードルがある。そこを一個一個なくしていきたい。共有が可能な指標と判断の材料が高いコストかけずに手に入れば、映画業界の業務オペレーションが効率化され資本の最適化もなしうる。そうなるともっと人に映画が届くようになるんじゃないかなと思うんです。出会うべき映画に出会えるようにするという、そんなテーマです。

片岡氏: なんで東大から警察庁って話じゃなくて、偶察力ですね。

梅津氏: 偶察力?

片岡氏: セレンディピティ(偶察力)。その時その時は偶然かもしれないけど、たまたま観た映画が人生変えたとか、たまたま先輩に誘われたのが警察庁だったとか。その連続で偶然を味方にして来られたのかなと。その偶然を引き寄せる力がいわゆる偶察力(セレンディピティ)です。

梅津氏: なるほど。考えたことなかったです。私の話を一生懸命1時間以上聞いてくれるなんで、お金払ってお願いする占い師ぐらいしかいないのに(笑)。こんな風に話をさせて頂くと自分の考えも整理されて、もちろん皆さんの質問で気づくこともあって、すごく楽しいです。

谷本氏: 興味深いキャリアと人生ですよね。
梅津 文
GEM Partners株式会社 代表取締役
1997年東京大学法学部卒業後、警察庁入庁。都道府県警警察で実地研修の後、本庁にて国際犯罪、中央省庁再編に係る予算・組織・法令などの企画業務に携わる。2000年にニューヨーク大学ロースクールにてLL.M(法学修士)取得、ニューヨーク州司法試験に合格。2001年にコロンビア大学ロースクールにおいて特別聴講生コースを修了。2002年マッキンゼーアンドカンパニー日本支社にコンサルタントとして入社後、通信・メディア業界においてマネージャーとして新規事業、マーケティング、業務オペレーション改善及び組織変革プロジェクト推進に携わる。そのほかに製造業、公共インフラ業界などにおいて変革プロジェクトに携わる。2008年3月GEM Partners株式会社設立。
GEM Partners株式会社
HP: http://gempartners.com/
片岡 英彦
コミュニケーションプロデューサー
株式会社東京片岡英彦事務所 代表取締役
一般社団法人日本アドボカシー協会代表理事
世界の医療団(認定NPO法人)広報マネージャー

1970年東京生まれ。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。2013年「株式会社東京片岡英彦事務所」代表取締役、「一般社団法人日本アドボカシー協会」代表理事に就任。企業のマーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加、フランス・パリに本部を持つ国際NGO「世界の医療団」の広報責任者を務める。
マガジンハウス/Webダカーポではインタビューコラム「片岡英彦のNGOな人々」を連載中。

株式会社東京片岡英彦事務所
HP: http://www.kataokahidehiko.com/
FB: kataokaoffice
谷本 有香
経済キャスター/ジャーナリスト
山一證券、Bloomberg TVで経済アンカーを務めたのち、米国MBA留学。その後は、日経CNBCで経済キャスターとして従事。CNBCでは女性初の経済コメンテーターに。英ブレア元首相、マイケル・サンデル教授の独占インタビューを含め、ハワード・シュルツスターバックス会長兼CEO、ノーベル経済学者ポール・クルーグマン教授、マイケル・ポーターハーバード大学教授、ジム・ロジャーズ氏など、世界の大物著名人たちへのインタビューは1000人を超える。自身が企画・構成・出演を担当した「ザ・経済闘論×日経ヴェリタス~漂流する円・戦略なきニッポンの行方~」は日経映像2010年度年間優秀賞を受賞、また、同じく企画・構成・出演を担当した「緊急スペシャル リーマン経営破たん」は日経CNBC社長賞を受賞。W.I.N.日本イベントでは非公式を含め初回より3回ともファシリテーターを務める。現在、北京大学EMBAコースに留学中

HP: http://www.yukatanimoto.com/
FB: yuka.tanimoto.50
2014年3月/衣装協力(谷本有香氏):Otto, オットージャパン/撮影協力:安廣 美雪(Take_)

2014/03/20


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