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■ MANAGEMENT #06
ビジョンを組み立てる「感性」と「理論」 vol.2
「危機感」認識の違い

吉見氏:まだ甘いということですか?
石原氏:甘いとは言わないですけど、僕がいたガソリンスタンド業界って、ちょっと一歩まちがうと潰れるって世界なんですよ。そこでがんばってる経営者って、危機意識はあるからいろんなものを取りいれたりいろいろ考えたりするんですね。
でも、地域が違うと、他と比べたらちょっと儲かってるところもあって。そういうところは危機意識は薄いんです。要するになんとかなるんじゃないかと思ってる。
吉見氏:そこなんですよ。なんとかなると思うから深く考えないんですね。
石原氏:でもやっぱり赤字になるんですよ。それまでの4、5年は黒字だったんですけど、やっぱりその頃から兆候はありましたね。今になってその頃考えればよかったって言ってましたけど。
吉見氏:それってどんな兆候なんですか?
石原氏:赤字も店舗もあるし人員も多かったりするんですね。今見ればここおかしいということになるんですけど、要するにドンブリなんです。
いいじゃんべつに、トータルで黒字なんだからって思ってしまうんです。やっぱりそれだと間違う。で、赤字の店があっても、まあここは実験店だからとか、ここの店長はいつか目がでるから、とかいろいろ言うわけです。
吉見氏:そういう時って切り込みます?
石原氏:ええ、言いますよ。
吉見氏:僕はそこは逆かな。僕はあえて言わないですね。如何に本人が気付いてくれるかって考える。言って気付いて動ける人なら最初から言いますけど、凝り固まってる人って正面からバチッと言われると、信頼があったとしても「何?」って思ってしまうと思うんですね。

吉見氏:僕は気付くまで放っておくんです。たとえば女性向けのサービスをやりたいってクライアントがいたんですが、どうみても女性向けのお店のイメージじゃないんですよ。ちらしのデザインもこれって女性向け?思ったり。
で、ここはダメ、あれもダメってアラ探しするといくらでも出てくるんですけど、そうじゃなくて本人が気付かないと変わらないんですね。そこはやっぱりお客さんの反応で気付かざるを得なくなってきて、そこから行動するんです。
行動すると自分自身も変わってくるんですね。それでもネックになることは3つ4つあるんですけど、計画立てて行動してもらうんです。それでやっぱり失敗するから、その失敗から学んでもらう。あくまでも行動からの学びなので、そのために計画を立ててもらうんですね。
石原氏:なるほどね。そういう意味でいうと、まず先にビジョンを作ってもらうと気付くのは早いでしょうね。自分で作ったビジョンですから、届かなかったら、じゃあどうしたらいいかって考える。
吉見氏:でも実は2通りのやり方をやってたんですよ。まず問題点を掘り出すやり方でスタートするのと、ビジョンを立ててからやるのと。やはり結果的にビジョンを先に立てるようが早いですね。基本的に人はアラ探しをされるのはイヤですから(笑)
石原氏:大手って基本アラ捜しですよね。
吉見氏:ええ、僕も大手にいたときはアラ探しでしたね。そのアラを埋めようとするやり方。僕は両方やってみてわかったのは、長所を伸ばず方が変われる。モティベーションも気持ちもぜんぜん違うんですよね。
石原氏:それは違いますよね。
2012/07/04