■ BRANDING #07

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■ BRANDING #07

ブランディングの先にあるもの interview

―――この「黒い機体」というデザインコンセプトは、このスタイリッシュな飛行機と快適な空間を利用することが、お客様、特にビジネスユースのお客様にとってステイタスだと感じて頂きたいといった戦略ですか?
川路氏: お客様のご不満を洗い出そうとした際に、一般のご利用の方々よりもビジネスユースの方々のほうが多く、しかも多方面でのご不満をお持ちだったんです。そういう方々にご納得いただけるサービスとコンテンツをご提供しようということが基点ですから、ぜひビジネスユースの方にご利用いただきたいという期待はありました。

それに合わせて、いろいろご出資いただいた地元の企業さまにご利用いただくということも狙いとして動いたところもありますから、これに乗って東京へ行ってきたと言っていただけるような交通手段になりたいといった、経営的な観点とお客様目線としての観点と両方ありましたから、少しはそういう感じになってきたのかなとは思いますね。
―――たとえ価格がレガシーキャリアよりも高くとも、搭乗に時間がかかったとしても、スターフライヤーの世界感に対価を払っているんだというお客様は、「価格の割には良いサービスだね」というお客様とはまた違うターゲットとなりますね。
川路氏: 本音でいいますとそこを狙ってはいます。ポジショニングに関しては、中間層って?という位置でもありますから、本来はレガシーより角度の違うサービスで高価格をいただける航空会社というのを目指しています。

ただ最初に「黒い機体」といったなりですから、なかなかとっつきにくいところがありまして、少しソフトにアウトプットをしているというのが現状です。本音のところは、レガシーよりもっと上を行ってやるという思いはあります。そこでご納得いただけるプライスであるというところですね。
―――ハイブリッドという言葉はどちらかというと両方網羅されているようなイメージにも感じますが、中間の位置にあると仰っておられましたが、本来は両方目指しておられるのでしょうか。
川路氏: そうです。現状はIR上、投資家と投機家の方々に対してどんな会社なのかを説明するために出しているところもあります。ですが10周年に向けて変えていこうとしています。やはり今まで誰も経験したことがない、どこの会社もやったことがないラインですから、出し方を模索している状態ではあります。

陶山氏:ハイブリッドといえば、トヨタのプリウスでいうと、ガソリン車と電気自動車の両方持っていますね。トヨタも将来的にはEV車に向かっていくのでしょうけれど、今は「ハイブリッドは環境に良いしリーズナブル」というところをセールスポイントにしている。そうした両方の良い部分を踏まえながらそれらをインテグレートした、従来よりは一段と高い地平をめざすという新たなポジショニング戦略を強く打ち出すと良いのかもしれませんね。

川路氏: そうですね。お客様がご出張の際に、今日何で来たの?と聞かれて、失礼ながら、LCCで来られた方は、「飛行機で・・」と社名を言わないと聞いたことがあります。我々はそこはきちんと「スターフライヤーで来た」とちゃんと言ってもらえるようにならなくてはいけないと思っています。

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