■ MARKETING #01

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■ MARKETING #01

価値社会とマーケティング vol.2

マーケティング人動説

櫻井氏 私が以前から提唱していることに、「マーケティング人動説」ということがあるんです。

仰るとおり、マーケティングというのは時代を超えて人間が中心である。人の有様や心の動きを判らずしてマーケティングは語れない。

『なぜ人は働かないのか』『なぜ人はモノを買わないのか』『なぜ人は感動しないのか』少々ネガティブな言葉ですが、今の時代、人は感動しなくなった。ものを買わなくなった。働いているけれど、働いているフリをしている人が多くなった。

それはやはりコミュニケーション不足にあると思うんですね。ネット社会になった今、情報の姿をした映像に溢れていて、リアルとの接点が少ない。
そんな中で、消費者志向と言われているにも拘らず、生活者はどんなものを買い、どんな気持ちになるのかを想像することが難しいわけです。

岡田氏: マーケティングの難しさを考えると、戦後、大量に生産してシェアを占めていく時代があったわけだけど、今はそういったマスから、個の時代に移ってきたという背景にもあると思いますね。

いままではマスのデータを集めてどうするかだったのが、今はいかに違いを出すか。個人個人に対する、いわゆるワンツーワンマーケティングと言われるものに変遷してきたことにもありますね。

櫻井氏: 今企業が大変な時期にあると思うんだけど、組織の中の人間も、個人個人がいわゆる「企業内独立」といった自覚をもつことが必要だと思いますね。
今は企業の1パーツだと思い込んでいる人に、そうした意識を持たせることで、自覚と責任を育てるべきなんです。それが先ほど言った発想を180度転換することです。

岡田氏: 社内起業家・企業内起業家といった言葉は十数年前から言われてきましたね。けれど、今、定着したかというと、必ずしもそうでもない。

人材の業界からすると、望ましいのは基本、そういう人なんですが、やはり組織の中にいるわけですから、コミュニケーションも含めて、「自律」と「自立」の双方が求められるんですね。

自分のアイデンティティーなり、独立性を出す自立と、自分を律しながらチームの一員であることの意識も必要なんです。同じ人がこの二つを持ち合わせる。これが我々が必要とする人財のイメージなんです。
櫻井氏: 自分の働きに手ごたえを感じる職場であれば、自覚もあるでしょうが、その自覚もない、できない、いわゆるぶらさがり社員がどれだけいるかが企業の中で問題ですね。

岡田氏: ぶらさがり社員は、今はもう淘汰されていますね。企業もそういう人を抱える余裕もなくなってきた。そういう意味では、サラリーマンの立ち位置はかなり変化してきています。

櫻井氏: 先ほどの川にとりに行く例で言うと、作業だけしていれば良いんじゃなくて、自分で探しに行く、この行動を評価される社会でなければいけない。

知識型人間と知恵型人間という違いがあって、日本はそうした目に見えないソフトに対して評価することが非常に苦手なんだけれど、知恵のあるものを正しく評価する知価社会を構築していかないと、過去の残像の恩恵で外国諸国がメイドインジャパンを評価してくれている時代も、やがて期限がくるんじゃないかと思いますね。

岡田氏: だからこそ、今に通用するマーケティングが必要になってくるんですね

 

 

2011/11/24


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