■ CREATIVE #05

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■ CREATIVE #05

ものづくり&ブランディングのムーブメント vol.2

同世代のチームが作る化学反応
ゴトウ氏:実際いつスタートでした?

渡利氏:ゴトウさんに声かけたのは夏、7月くらい。で、他のメンバーを5人集めて、スタートしたのは10月。

ゴトウ氏:半年でリリース。ちょっとめちゃくちゃなスケジュールでしたね(笑)

渡利氏:ビジュアルプロモーションの部分がしっかりしたメンバーがいたこともあるから。

ゴトウ氏:スタートから、如何に絵を構築するかというところが早かったので、メディアが取り上げやすいってのもあって効果もあったんですけど、実際、実店舗まで作ったじゃないですか。店作るってリスクが高いと思うんですけど、そこんとこどうでした?

渡利氏:うーん、たしかに店を作るって、在庫リスクは高いし、場所代やいろいろかかるけれど、なにかをつかもうとするとリスクは持たないとあかんとは思うけどね。なにかを得るには何かを捨てないとあかんと。

ゴトウ氏:卸だけだと、そんなに継続リスクは少ないじゃないですか。

渡利氏:リスクはリスクですけど。。人の繋がりも同じで、ここの店が見つかったのも偶然で、タイミングを見逃さない嗅覚って常にあるしね。ちょっとした種をつまんで、育てるっていうことも重要やと思いますね。

ゴトウ氏:メーカーとして直接店を持つメリットってありますね。卸店舗から上がってこないフィードバックがわかるという。

渡利氏:それはありますね。一番出口が見えてるという。

ゴトウ氏:グラフィックだと、エンドユーザーのフィードバックってほとんどないわけですね。実際どういうところを持っていかれて読まれてるかというのが、ここでは良い実験場になっていますね。

渡利氏:ボクも当初、店を持つ意味っていうのは、そういうお客さんのフィードバックというのが大きくありましたね。

靴を売るときの発信力を他店に任せるというと、なかなかコントロールしにくいし、主導権という意味では(卸は)弱い。

ゴトウ氏:予測の範囲内?

渡利氏:予測以上でしたね。半年でスタートできたのも理想で、思っているより動き、展開が早かったですね。

そこから第三者からいろいろ声が上がり始めて、その声に対してどうジャッジするか、その選択が難しかったですね。

ゴトウ氏:そこがブランディングになっていったりするんだけどね。

渡利氏:そう。なんでもイエスだけだったらいけないし、メンバーの思いもあるし、卸に関してもそのお店の選択にも影響し合って、なんかみんな同じようなことを思ってて、要はここを嗅ぎ取って来たわけでしょ。

みんなきっかけが欲しいと思ってるわけで、この場所だったりメンバーを使って、なにかやれるんじゃないかと思って来る。お金儲けじゃなくて、「やりたい」と思うモチベーションを共有してるんじゃないかと思いますね。

ゴトウ氏:ブランディングが整うまで、どういうコントロールになったかというと?

渡利氏:30代が履くスニーカーってのがなかったということかな。年いったらシニア系の先のほそーいしゅっとしたものが昔から当たり前に履くってことがね。ちがうやろと思うんですよ。

30になって仕事してるけど、ノリは昔のあのノリでやってきたからどうしても抵抗がある。違うものを選びたいけどモノがないっていう状況がボクにあった。

ゴトウ氏:それは渡利さん的にありながら、自分の周りで身近なマーケティングして、そういう実感があってのことですか?

渡利氏:うーん、実感かな。それはあくまでもふわっとした仮説の範囲やね。

ゴトウ氏:最終的には市場にあててみないとという感覚ですか。

渡利氏:シンプルだけど、今までにない、自分らのスタイルにマッチするという。

ゴトウ氏:チームで動くわけだから、いろんな意見が出ますよね。

渡利氏:企画だったら、企画内での目線でしかないけれど、この場合は、作り手だったり、WEBだったり、グラフィックだったり、売り場だったりの目線が交錯しますね。そこからどれをジャッジするかと毎回重いし、しんどいけどね(笑)

ゴトウ氏:つまり、メンバーが自分の権限越えて話せる場を作るっていうのが、商品開発にとって良いんですかね。

渡利氏:関係が並列って大きいと思うね、さっきの話のように、外注だと、意見すると、なんやかんやいってもはっきり言って金出してるもんがやっぱり選ぶということになるよね。そういう仕事されてるでしょ?(笑)

ゴトウ氏:そりゃそうです(笑)

渡利氏:イチの受注業者やからね。とか(笑)それをすると、メンバーのバランスを取れないと思うし、並列の関係だから好き勝手言い合って、最終的にボクがジャッジすれば良いと。イラッとしながらね(笑)

ゴトウ氏:逆もあるでしょうね(笑)

渡利氏:ええー?(笑)こういう、最小単位で意思決定ができるって良いんだと思う。組織だと最終決定にハードルがあるし時間がかかる。それはそれで深さが出るんだろうけど。

ゴトウ氏: プロジェクト単位で最少チームを組んだほうが効率は良いでしょうね。

渡利氏: これからはそういうやり方のほうが面白いと思う。今の儲け方、大きなメーカーは、多種多様にやらないといかんとか、大きくやって大きく儲けるってことだけじゃどうかと思うんですね。なんかね、ちゃう。面白くない。「わかってない感」ですよ(笑)

ゴトウ氏: そうですか(笑)

渡利氏: そういう昔の価値観を引きずってるって、「見えない」のかそれとも「見えていても言えない」のか、っていうジレンマを感じますね。メーカーには。

ゴトウ氏: まあ、でも両方の視点から見ないとダメですね。片方の小さい視野だけだと大きい動きがわからない。それは両方の強みがなければ。

渡利氏:ゴトウさんにしても、ボクにしても、別事業があって、そっちは大きいメーカーとやってて、両方見てることって強みかなと。

ゴトウ氏:小さい企業は、大きい企業がどう動いているかを知らないと戦えないですから。

2012/06/19


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