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■ CREATIVE #11
マンガキャラクターで描くブランドストーリー vol.1

マンガキャラクターで描くブランドストーリー
今回は企業のイメージキャラクターや商品開発ストーリー等をマンガで制作されている株式会社画屋 小川満洋氏と、経営コンサルタントの小橋壽也氏の対談です。小川氏は、以前ブランド対談でご登壇いただいた、工具メーカー株式会社エンジニアさんのメージキャラクター「ウルス君」を描かれています。ゆるキャラブームや日本のマンガブームの中で、グラフィックやアミューズメントとしての「マンガ」と企業のブランド戦略を担うキャラクターとしての「マンガ」。その違いと役割りについてお話いただきました。
株式会社エンジニア 高崎社長の対談記事はこちら
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小橋氏: 小川さんは漫画家って言っていいのかな。
小川氏: 漫画家・・じゃないですね。まあ、わかりやすいので漫画家って言われても否定しないですけど。
小橋氏: 昔は漫画家って言ってたでしょ。
小川氏: 一人でやってたときはそうでしたね。漫画家とかイラストレーターとか言ってました。
小橋氏: デザイナーでもないし、クリエイターですかね。
小川氏: ええ、クリエイターですね。
小橋氏: 企業のキャラクター戦略というか、ブランド戦略のひとつの位置づけであったり。キャラクターを創る目というのが、デザイナーの目と違うような気がするんですよね。
小川氏: え、違いますか。それはどのように。
小橋氏: グラフィックのデザイナーは最初から静止しているところを描くじゃないですか。やっぱり漫画家出身だから、いろんな動きがあることを想定して創りません?
小川氏: そうですね。そもそもマンガに映画の手法を取り入れたのは、手塚治先生だと言われていて、絵でいろんなアングルや動きを見せる、そこからストーリーマンガが出てきた。そういう意味でもグラフィックとは違いますね。
小川氏: 漫画家・・じゃないですね。まあ、わかりやすいので漫画家って言われても否定しないですけど。
小橋氏: 昔は漫画家って言ってたでしょ。
小川氏: 一人でやってたときはそうでしたね。漫画家とかイラストレーターとか言ってました。
小橋氏: デザイナーでもないし、クリエイターですかね。
小川氏: ええ、クリエイターですね。
小橋氏: 企業のキャラクター戦略というか、ブランド戦略のひとつの位置づけであったり。キャラクターを創る目というのが、デザイナーの目と違うような気がするんですよね。
小川氏: え、違いますか。それはどのように。
小橋氏: グラフィックのデザイナーは最初から静止しているところを描くじゃないですか。やっぱり漫画家出身だから、いろんな動きがあることを想定して創りません?
小川氏: そうですね。そもそもマンガに映画の手法を取り入れたのは、手塚治先生だと言われていて、絵でいろんなアングルや動きを見せる、そこからストーリーマンガが出てきた。そういう意味でもグラフィックとは違いますね。

小橋氏: そこが小川さんの作品と、グラフィックデザイナーの描くキャラクターとの、匂いの違いだと思うんですよ。動きというのはストーリーなんですよね。
そのストーリーを考えながら、何かの場面で正面向いた時、横を向いた時、それがどんな表情なのかを考えて創るというプロセスなのかな、という気がするんだよね。
小川氏: 確かにグラフィックデザイン的なキャラクターが動くと、ちょっと違和感を感じるかもしれないでしょうね。
小橋氏: そうそう。静止している画はいいんだけど、動きを持たせたとたんに、なんかキャラクターのイメージが変わってしまうということもあるよね。
キャラクターデザインが専門であれば、そういう動きを計算するかもしれないけど、あきらかに意図が違う気がするんですよね。
小川氏: アニメのデザイナーも大勢いますけど、広告として使うキャラクターという意味でのデザイナーはそう多くはないですね。マンガやアニメの延長線上で描けますという方はたくさんいらっしゃるとは思うんですけど、そこは若干違うんです。
企業さんは別に、娯楽としてエンタテイメントとしてのキャラクターが欲しいというわけじゃない。その要素も必要なんですけど、主な要素はそこじゃないんです。
小橋氏: サンリオのように、エンターテイメントをビジネスにする場合なら、明らかにそっちのほうが良いけれど、企業のブランド戦略の一環としてキャラクターを起用する場合はそうじゃない。商品の顔であり、会社の顔としてどんな意味を持つかということが重要になりますからね。
小川氏: ええ。でもいろいろ作らせてもらっていますけど、なかなか企業さん側にも、その理解が難しいんですね。
そのストーリーを考えながら、何かの場面で正面向いた時、横を向いた時、それがどんな表情なのかを考えて創るというプロセスなのかな、という気がするんだよね。
小川氏: 確かにグラフィックデザイン的なキャラクターが動くと、ちょっと違和感を感じるかもしれないでしょうね。
小橋氏: そうそう。静止している画はいいんだけど、動きを持たせたとたんに、なんかキャラクターのイメージが変わってしまうということもあるよね。
キャラクターデザインが専門であれば、そういう動きを計算するかもしれないけど、あきらかに意図が違う気がするんですよね。
小川氏: アニメのデザイナーも大勢いますけど、広告として使うキャラクターという意味でのデザイナーはそう多くはないですね。マンガやアニメの延長線上で描けますという方はたくさんいらっしゃるとは思うんですけど、そこは若干違うんです。
企業さんは別に、娯楽としてエンタテイメントとしてのキャラクターが欲しいというわけじゃない。その要素も必要なんですけど、主な要素はそこじゃないんです。
小橋氏: サンリオのように、エンターテイメントをビジネスにする場合なら、明らかにそっちのほうが良いけれど、企業のブランド戦略の一環としてキャラクターを起用する場合はそうじゃない。商品の顔であり、会社の顔としてどんな意味を持つかということが重要になりますからね。
小川氏: ええ。でもいろいろ作らせてもらっていますけど、なかなか企業さん側にも、その理解が難しいんですね。

小橋氏: 小川さんは(株)エンジニアさんの「ネジザウルス」のウルス君を作られましたが、こういうケースは珍しいですよね。工具メーカーさんでしょ。製造業のメーカーがキャラクターをつくりという話は普通ないですよね。
小川氏: ええ。珍しいでしょうね。
小橋氏: どういう背景でご依頼があったんですか?
小川氏: プロモーションの時点で、同社の高崎社長が仰る「MPDP理論」という戦略の中で、他社との差別化をはっきり認識させるためにオリジナルキャラクターを使いたいということだったんです。
でもどこにでもある商品だったら、わざわざキャラクターを創る必要もなかったんでしょうけれど、商品に自信があるから、これを会社の看板にしたいと。
そもそも(株)エンジニアさんはBtoBの製造業なんですが、この商品に限ってはBtoCなので、子供から大人まで一般の方に知ってもらおうと、親しみ易いキャラクターを使うということになったんです。
小橋氏: お客さんダイレクトでやっていくには、目先を変えたプロモーションが必要だったんですね。
小川氏: ええ。企業内でキャラクターを作ろうとなった場合、社内の担当者が考えたキャラクターを使われることがよくあるんですが、やっぱりそれじゃ広がらないし、使ってもらえないんですね。キャラクター作っても大抵そのまま。チラシ作って会社の玄関に置いただけの状況になります。
小川氏: ええ。珍しいでしょうね。
小橋氏: どういう背景でご依頼があったんですか?
小川氏: プロモーションの時点で、同社の高崎社長が仰る「MPDP理論」という戦略の中で、他社との差別化をはっきり認識させるためにオリジナルキャラクターを使いたいということだったんです。
でもどこにでもある商品だったら、わざわざキャラクターを創る必要もなかったんでしょうけれど、商品に自信があるから、これを会社の看板にしたいと。
そもそも(株)エンジニアさんはBtoBの製造業なんですが、この商品に限ってはBtoCなので、子供から大人まで一般の方に知ってもらおうと、親しみ易いキャラクターを使うということになったんです。
小橋氏: お客さんダイレクトでやっていくには、目先を変えたプロモーションが必要だったんですね。
小川氏: ええ。企業内でキャラクターを作ろうとなった場合、社内の担当者が考えたキャラクターを使われることがよくあるんですが、やっぱりそれじゃ広がらないし、使ってもらえないんですね。キャラクター作っても大抵そのまま。チラシ作って会社の玄関に置いただけの状況になります。

そうじゃなくて、社員の皆さんがまず好きになれる。最初はお客様に受け入れられなくても、自分たちが大好きになれるキャラクターを作りましょうと。
そうすると少しづつでも、そのキャラクターを好きになってくださるお客様も出てきますし、無駄なコストをかけたということにはならない。まず社内が大切なんですよといつもお伝えしてるんです。
やっぱり自分が好きじゃないと、なかなか他人には勧めないですからね。そこが大きく違うんです。このウルス君も、そういうものを一緒に作りましょう、ということでできたキャラクターなんです。
当時30名の社員さん全員の意見をまとめながら完成しました。かなり手間はかかりましたけど、やっぱりやっておいて良かったなと思いますね。
小橋氏: キャラクターもだけどブランド戦略は、まず社内が好きになれないと本来のブランディングってできない。
会社のロゴやシンボルマーク、CIというコーポレートアイデンティティ。コーポレートブランドという言い方もしますが、やっぱり自分の会社のマークや社名に愛着がないと、その会社は伸びないんですよね。
小川氏: やはりそこで働いてくれている人たちが同じ方向を向かないと、前に進まないですから。
小橋氏: キャラクターというのは商品自体に直結しているから、余計にですね。自分たちが身近に感じて親しみを持って、大好きにならないと商品は売れないよね。
そうすると少しづつでも、そのキャラクターを好きになってくださるお客様も出てきますし、無駄なコストをかけたということにはならない。まず社内が大切なんですよといつもお伝えしてるんです。
やっぱり自分が好きじゃないと、なかなか他人には勧めないですからね。そこが大きく違うんです。このウルス君も、そういうものを一緒に作りましょう、ということでできたキャラクターなんです。
当時30名の社員さん全員の意見をまとめながら完成しました。かなり手間はかかりましたけど、やっぱりやっておいて良かったなと思いますね。
小橋氏: キャラクターもだけどブランド戦略は、まず社内が好きになれないと本来のブランディングってできない。
会社のロゴやシンボルマーク、CIというコーポレートアイデンティティ。コーポレートブランドという言い方もしますが、やっぱり自分の会社のマークや社名に愛着がないと、その会社は伸びないんですよね。
小川氏: やはりそこで働いてくれている人たちが同じ方向を向かないと、前に進まないですから。
小橋氏: キャラクターというのは商品自体に直結しているから、余計にですね。自分たちが身近に感じて親しみを持って、大好きにならないと商品は売れないよね。
2013/06/17