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士業・プロとしてのこだわりとは vol.2

結果を出せること
松田氏:結果を出すとは、クライアントが市場で優位を保てることです。特許は独占権であるとよく耳にしますが、特許の本質は排他権です。

特許を取るということは、市場での他社参入規制を張るということです。それも、戦略的に行わなければ、排他権の威力を発揮できません。

特許は取れるだけ取れば利益があがるかといえば、そうとも言えないわけで、「特許は取ったけど、儲からない」となると、それは排他権を効率的に活用できていないわけで、これでは弁理士の責任だと言われてしまう。

取り方が悪ければクライアントに利益を出せないどころか、マイナスになることもある。 費用対効果の面でも、経営的な面でも、効率的にとっていくことが結果を出すことになりますね。

つまるところ、特許や商標は、その企業の経営課題を解決するための一つの手段であると捉えるべきだし、そうであるなら、利益につながらない特許などは本末転倒ですから(笑)

暁氏:弁護士の場合、費用対効果だけでなく、クライアントの感情といった面も重要になります。

訴訟でも多くの場合は、和解、すなわち話し合いによって解決することになるのですが、いつ、どのような条件で終わらせるか、当方のクライアントも相手方も納得できるところを探すんですね。

先生がここまでがんばってくれたのだから、このあたりで解決しようとクライアントに思ってもらうところが腕の見せ所でもあります。

松田氏:クライアントの感情を理解するって重要ですね。ただし、弁理士の場合、たとえば商品を真似されたといった場合、その真似をやめさせる交渉をクライアントの代理で行うのですが、そのとき、仮にクライアントが相手に社会的制裁までも加えたいとの感情を抱いていたとしても、それを十分に理解しながらも感情論はできるだけ避け、純粋にビジネス上の解決策を探ることが重要だと思います。

このたびの係争を期に今後の関係強化を構築する途があるならば、それを開いていくのが弁理士の仕事だと思っています。一方で、和解交渉の際のポイントの一つは、やはり和解金の額でしょうね。これは、我々代理人の成績の一つであり、クライアントからの信頼を得られるかどうかの一つの指標です。
アツさとは?
暁氏:松田先生にとって、アツいってどういうところだと思われます?

松田氏:ズバリ、『発明に感動できる心を持つこと』ですよ!先にも言いましたが、我々は、発明に感心しない傾向にあるんです。

感動できる心を持つにはどうするか、それは、まずはその技術に興味を持つこと、そして、アイデアを尊重し、直ちにその価値が理解できない場合にも「それがどうしたの」という視点には絶対に立たないこと。

これを心掛ければ、『よくぞ、ここに気がついた!』と発明者の着想に感動できます! 弁理士はメーカーではありません、サービス業なんです。自分が感動できれば、必ず良い仕事ができると信じています。曉先生の場合は、どういうときにアツくなります?

暁氏:やはり案件によっては、前例がないとか、或いは証拠が不十分といった訴訟で勝つには難しい案件も中にはあるんですね。

そんなとき、無理をして裁判をすれば、クライアントも弁護士も徒に疲弊してしまうる可能性があります。 その中でも、このままでいいのか、これは主張すべきじゃないか、できるとこまでやる意味はあるんじゃないかと意気に感じるときは、もちろんクライアントも納得の上でのことですが、裁判で共に戦いましょうとなることもあります。

その場合、事件の大小、報酬の多少といったものは度外視です。そうした案件にめぐりあった時には、相手に弱点はないか、有効な主張反論はないか、見落とした証拠はないかと、勝てる要素をとことん探し求めます。この気迫がアツさでしょうか。

松田氏:私の場合も係争になれば、まずは技術の違い、発想の違いを事細かく指摘します。できるだけ迫力を付けることに留意して(笑)。

弁理士って、やっぱり理屈っぽいんです(笑)でも、いつまででも侵害論ばかりを議論し合っていてもダメ。係争の相手もやはり人。

この係争の落としどころはどこなのか、そのために相手の心理を突くことも重要なので、そこは非常に慎重に且つ大胆に見極めますね。

暁氏:クライアントのために、どこまで果敢になれるか。

松田氏:そこがプロであり、アツいところですね。

 


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