■ MANAGEMENT #03

HOME» ■ MANAGEMENT #03 »企業戦略としての人材採用 vol.1

■ MANAGEMENT #03

企業戦略としての人材採用 vol.1

企業戦略としての人材採用

今回は幹部候補などエグゼクティブクラスのスカウトを中心とした、関西では老舗の人材紹介会社、株式会社バンステーション 岡田政之氏と、リクルート33年勤務の後、キャリアアドバイザーとして多くの転職者と接した経験を活かし、人材業界で活躍中の人材アシスト株式会社 政岡 勝氏の対談です。企業の幹部クラスに優良人材を提供する両社のトップとして、企業における採用の捉え方を中心に語っていただきました。
厳しい人材条件と採用の現状
政岡氏:このところ、企業側からの人材条件と要望がかなり絞られてきていますね。

岡田氏:我々の業界は、ご要望を受けてニーズにぴったりな人を提供するのは、本来あるべき姿なんですが、最近はかなり(要望が)高いですね。

政岡氏:企業側が人材難だった時代はとりあえず人が要る、入ってから育てられる素材かどうかが必要だったんですが、今はピンポイントで合わないと要らないと言ってこられますね。

岡田氏:そうですね。70点くらいの人が欲しいということだったら、ドンピシャ70点じゃないとダメなんですね。もちろん50点60点は当然ダメなんですが、75点でもダメ、80点もオーバーステップでダメということになる。そこが非常に厳しいところですね。

さらに今の特徴として、要望のアンド事項が多くなってきていますね。経理だったら、仕分けができて決算ができて、税務対応ができれば良かったケースも、今はそこへ連結が必要だったり、EMASといった国際基準、さらに英語、中国語・・・

本当にそんな人いるのかなと思うくらい条件設定が高いですね。あまりに条件設定が高すぎて応えられない状況も出てくることがつらいですね。

政岡氏:一方で転職を求める人もなかなか出てこない状況ですね。良い人を探したいけれど、表に出てこない。リーマンショック以降、やはりもう少し景気の様子見てから転職を探そうという傾向にありますから。潜在的には転職したいんだけど今出ると、プラス要因がないと首をすくねているような。

岡田氏: そういった状況は、やはりまだまだ続いてますね。

新聞やマスコミ上で見ると、求人は回復しているとか、横ばいとか、数字的には改善されているように見えるけれど、就職活動からあえて離れている人は数字に入らない。

政岡氏:人材の業界も流れが変わってきていますね。企業側もハローワークで採用できる人材と、探せない人材を使い分けてきていますから、普通なら取れないレベルの高い人を提供しなければ、生き残れない業界ですね

岡田氏:レベルはどういう基準で考えられています?

政岡氏:基本的に高卒・大卒の差もありますが、転職の紹介ですから前職で何を実践してきたか、が一番の項目ですね。経理で言えば、社内の処理能力だけでなく、外部の顧問先とうまく話しができるかなど、企業からの様々要望がありますから、それに応じたレベルになりますね

岡田氏:技量・経験も重要ですが、それは過去形の話なんですよね。重要なのは、その人が新しい職場でどれだけ活躍できるかですから。

政岡氏:そこなんですね。いままでの経歴というのは、たしかに実力や能力ではありますが、それよりも今後どれだけ活躍してくれるかを企業側が理解してもらえるかなんです。

岡田氏:将来的な伸びしろやその人のポテンシャルの高さを判断する基準がないゆえに難しいですね。

 

2011/12/09


■ MANAGEMENT #03

powerdby