■ MANAGEMENT #05

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■ MANAGEMENT #05

専門チームが導く企業のベストプランニング vol.1

専門チームが導く企業のベストプランニング

今回はファイナンシャルプランナー同士、エフピーコンパスの平井寛さんと、ライフナビゲーションシステムの小幡賢治さんの対談です。ファイナンシャルプランナーといえば保険やマネープランの相談と思い浮かべがちですが、お二人は独立系FPとして、事業承継や事業再生にも造詣が深く、税務や法務の専門家とともにチームやタッグを組んで、クライアント企業にとって将来を見据えたベストな道を示唆されています。企業の経営者の心強い相談役として、これからのファイナンシャルプランナーの役割りを語っていただきました。
平井氏:小幡さんはFP暦長いですね。FPって14,5万人いるけれど、独立系でやってる人は数千人ほどですからね。珍しいですよね。

小幡氏:まあ、どこまでを独立系かというと、線引きは難しいですけれど、自分では独立系って言ってますけどね(笑)

平井氏:僕は出身が不動産だったというのもあって、FPで独立した当初は商品を持たないでおこうと思ってたくらいですから。

小幡氏:ああ、そう仰ってましたね(笑)僕ら元々保険をやってたというのもあって、独立当初は、保険をやってるというか、商品もってるうちはFPとして一人前じゃないっていじめられましたけどね(笑)

平井氏:商品を持たないけれど、専門は持たないといけないと思ってましたね。FPってどうしても個人の財産とか投資とかに思われるけど、相続や事業承継の場面で、企業の経営者にはやはり専門のサポートが必要で、まして経営者って、お金に関する勉強ってなかなか機会がないんですよね。

小幡氏:独立して事業を立ち上げた方の相談をよくお受けするんですけど、やはりモノを作るとか売るとかに関しては自信をお持ちなんですけど、こと経営やお金の管理となると全く別問題で、業績が伸びても管理ができなくて、何年か経つと経営が成り立たなくなるケースって後を絶たないですね。

「経営」に関するアドバイザーになる人って実は少なくて、まず税理士さんに相談する方って多いと思うんですが、やはり税理士さんにも業務の領域ってあるわけで、ちょっとしたアドバイスでお茶を濁すことって結構あったりするんですよね。サービスという感じで。

平井氏:そうですね。管理といっても日常のお金の管理とリスク管理とは違いますし。FPって「個人向け」という印象を持たれていることが多いんですが、小幡さんは事業再生もされてますよね。

小幡氏:ええ。若い頃、実家が事業やってたんですけど、経営がうまくいかなくなって。その時は自分も経営のことって判らないし、弁護士さんにいろいろ相談して、わりと親身になって相談にのってくれたんですね。でもだんだんいろんなことをおっしゃるので、どれが本当の情報なのかわからなくなって。

その場はそれで済んでもその先どうなるかということって、検証されていない情報が多いんですよ。親も兄弟も、清算するのか継続するのか、どうしたらいいのかすごく悩んで苦労しましたね。結局清算はしたんですが、あとから開き直って、こんな経験はいつか何かの役に立つと思ってましたね。

平井氏:そんな経験が元になって事業再生を?

小幡氏:ええ。事業再生をサポートする会社ってよくあるんですが、どうしても「貸す側の立場」で考えてしまうんですね。借りている側じゃない。それはまあ社会的にも仕方ないんですが。

とはいえ社会に迷惑をかけているわけですから、とるべき責任は必要なんですが、過剰にその責任を感じてしまって、後の動きが全くとれないこともある。

やっぱりある程度清算して、その後挽回して社会に還すことができるようになるってことって大事かと。

経営ってやっぱり最初からわかっている方って少ないわけで、1回や2回失敗を重ねて、その中で得たもので次もやっていけるという、再生というか、立ち直りの機会を整備していくことって必要だと思うんです。

平井氏:アメリカだったら(会社を)潰しても、また興せる環境ってありますが、日本ではまだまだ難しいですからね。

小幡氏:そうですね。そういう事業再生も、結局は平井さんがやっておられる事業承継に結びついていくんですが、こういう厳しい時代に、どうやって後継者に継いでいってもらうのか、そこを意識して再生しなければ意味がないと思います。

平井氏:僕自身「相続トータルサポート関西」をつくるきっかけも、15年くらいまえかな、家族の相続があって、いろんな手続きがが必要だとなって税理士さんに相談したら、「平井さん、あなた不動産されているんだから、一度自分でされてみては?」といわれたんです。

まあ、わからなかったらサポートしてくれるってことで。それで自分で税務署行って、書類を集めて、不動産の相続があって、10ヶ月以内に遺産分割をしないといけないという期限もあったり。まず事前に考えてなかったことがいきなり目の前で起こるわけです。

それって会社でも同じことで、相続といっても、寿命で亡くなる場合もあるけれど、事故などで急に亡くなる場合もある。そこで事前に考えているかいないかで、かなり違いがあるんじゃないかと。

ただ、相続や事業承継って、やってみたら税金や法律のことなど、FPだけではできないこともいっぱいあって、税理士さんや司法書士さん達と一緒にネットワークを作ったんです。

小幡氏:平井さんの会は、一環してFPの勉強会として継続されているんですが、来られる方々って毎回各方面の専門家の方ばかりですよね。

平井氏:クライアントが我々の話や顧問の先生に話を聞いた上で、どちらに相談に行けば良いか判断いただけますし、専門家の方々とのネットワークがあると、僕らのできないところは、専門家をご紹介するといった「コーディネート」も僕らの大切な仕事です。

小幡氏:事業再生をやっていると、それはFPの仕事じゃないって言われることもあるんですけど、保障設計にしても生活設計にしても、会社の事業計画と同じ。まあ自分の目標をたてるって僕らも含めて皆、苦手ではあるんですけどね(笑)

 

2012/07/04


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