■ ADV(アドボカシー)な人々 #02

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ウナギトラベル代表 東園絵 「いまのきもち」 vol.4

片岡氏: そこの共通項って何なのでしょうね。その人たちの目的は自分の代わりに大事なぬいぐるみ、つまり自分を擬人化する感じで連れて行ってもらいたい。それはペットかもしれないし、ぬいぐるみかもしれないし、大事な物なのかもしれないしれない。

でもその人たちが仲良くなる土台というかベースは何なのですかね?お金よりも大事な何かがあるという感性ですか?それとも何かしらもっと強い思い入れみたいなもの?

東氏: 感性ということのはあると思うんですけど、国も年齢もバックグラウンドも一切違うので。何でしょうね。

片岡氏: 同じようにお気に入りの人形をエッフェル塔と一緒に写真に撮ったりする友達の女の子がいるんですよ。よくある、かわいいお人形とエッフェル塔行きました、バリ島に行ってきましたって。それと全然違うんですよね。根本的に何が違うんですか?

東氏: それはアンケートを取ったことがあって、全員じゃないんですよ。半分ぐらいの方は、そうして自分で連れて行って写真を撮ったりしているようなんですが、残りの半分の方はそれさえやっていない。

片岡氏: 別に自分が撮りたいわけじゃないんですね。

東氏: そうなんです。ここに参加することに意義があるようなので、よくお礼状やフィードバックをいただくのは、この人にとって(ぬいぐるみは)家族のような存在なんですね。こどもだったりペットだったりと同じ。なので私も同じくらい愛情を注ぐようにしています。

片岡氏: それは家族と同じくらい強くってこと?

東氏: 同じように強くです。どういう思いで参加されたのかを細かく伺った上で、できるだけ寄り添うようにしています。なので、ごそっと20体くらい並べて写真を撮るようなことはしないです。自分と同じ目線で接してくれたことがすごくうれしかったと皆さん仰る。そういう思いで参加いただいているので、またここで、かわいいね、ありがとう、という言葉がすごく共鳴するんですよね。
谷本氏: 私の知人でバリバリのキャリアウーマンの方なんですが、東さんと、ウナギトラベルのことが大好きなんですよ。

東氏: ほんとですか!

谷本氏: まさか彼女がぬいぐるみ好きだとは思ってもいなかったのでビックリしたんですけど、彼女曰く、ぬいぐるみはまさに自分の子供なんですって。ぐずらないし、排せつもしなければ、悪口も言わないし、反抗もしない。そんな可愛いばかりのわが子が、自分が忙しくて行けない旅行に代わりに行ってくれるなんて、これほど嬉しいことはないというんです。実は、こういう寂しさを紛らわすというか、現代のある側面を補う部分もあるのかしら。

東氏: あると思いますね。お子様がいらっしゃらないご夫婦で、17年間連れ添った犬が去年亡くなって、その分身としてオーダーメイドされたぬいぐるみもいましたね。その方にとっては本当に大切な存在で、犬のぬいぐるみが旅をして、活き活きとした写真を撮ることによって、まだ生きているように思うと仰っていました。そういう癒しもあったり。セラピーだと仰る方もおられます。

片岡氏: 僕はデジタル感覚なので、アバターのような感じかと思ったんですね。自分の分身が擬人化されているのかと思ったら、むしろ自分の慰めなのかもしれないね。人によってね。

東氏: 人によってはそうですね。

片岡氏: 東さんご自身が仕事とは別で連れていくのは?

東氏: 私はこのウナギといつも一緒です(笑)ただ子供の頃からスヌーピーがすごく好きで、4歳から大切にしているスヌーピーがいるんですけど、それは結構大きいですし、もう灰色になってるので、外に出すことは一切ないですね。たぶん今後もしないと思います(笑)
ドイツ証券の時に、まだ若かったこともあって、出張に行かなきゃいけない時すごく不安で、小さいスヌーピーを持って行ったんです(笑)特に日常的に何かと一緒に写真を撮るという趣味はなかったのですが、なんとなく寂しくて。ホテルに戻ったら部屋にスヌーピーがいるとホッとするんです(笑)

谷本氏: 意外と皆さんそういうことってあるのかもしれないですね。言わないだけで。

東氏: あるかもしれないですね。海外の方には結構あるんです。

谷本氏: 癒しの一つなのでしょうね。お年寄りにも良いかもしれませんね。

片岡氏: 思い出作りなのかと思ったらそうでもない。旅に連れていってもらえることが即癒しに繋がる。また記念写真を撮ることや誰かに見せたいということが目的でもないんですね。不思議ですね。

東氏: 大阪からよくお申込みいただいている「サルさん」「クマさん」と2体のいうぬいぐるみがいるんですけど、50代ぐらいの女性ですごく大切にされていて。どんな方なのかなと思ったら、ご主人もいて大学生のお子さんがいらっしゃって、みんなにとって大切な「サルさん」「クマさん」なんですね。

で2体が旅行中、息子さんは大学の研究室から、ご主人から職場から、奥様は家から、それぞれFacebookで「サルさん」「クマさん」の行動をチェックして楽しんでらっしゃる。おもしろいのが、先日京都ツアーをしたんですね。そしたら「サルさん」「クマさん」2体で申込まれているんです。大阪にお住まいなんですよ(笑)
片岡氏: 自分たちで行きゃいいのに(笑)

東氏: 東京なら「サルさん」「クマさん」に東京に行かせてあげたいっていうのはわかるんですけど(笑)

谷本氏: へえ、面白い(笑)

片岡氏: 行けないからというのではないんですね。行かせてあげたいんですね。きっと。

東氏: ご家族もいらっしゃるので寂しいというわけではないと思うんですね。その「サルさん」「クマさん」は昔から家族にとって大切な存在らしいんです。私がご家族と同じ目線で大切にしているところがうれしいらしいです。

片岡氏: 例えばアメリカ横断とかオーロラを見に行くとか、今後そういう発展系の可能性はあるのですか?

東氏: 可能性としてはあります(笑)

片岡氏: 自分は行かなくても体験できるような。

東氏: 体験させることで何かインスピレーションを得たり。

片岡氏: バリ島支社とか作っていただけると、僕そこで受け入れやりますよ(笑)

東氏: ほんとですか(笑)そう仰ってくださる方多いです。ぜひ受け入れしたいって。

片岡氏: ライター兼コーディネーターね。まさにツアーコーディネーター。

2013/12/22


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